税理士の選び方|良い税理士を見極める4つの要件を税理士が解説
「今の税理士のままでいいのか分からない」「これから顧問税理士を探すが、何を基準に選べばいいか分からない」。経営者の方から、弊所ではこうしたご相談をいただくことが少なくありません。
結論から申し上げますと、良い税理士かどうかは「能力・対応力」「地域」「価格」「相性」の4つの軸で見極めることができると考えます。
この記事では、税理士として日々経営者の方と接している立場から、頼むべき税理士の具体的な要件を、契約前に確認しておきたい実務上のポイントとあわせて解説します。
そもそも顧問税理士は必要か
本題に入る前に、前提を簡単に整理しておきます。事業規模が小さく、会計ソフトの操作に抵抗がなく、税務判断が複雑にならない方であれば、無理に顧問契約を結ばなくても対応できる場合があります。弊所でも、ご相談をお受けしたうえで「今の段階でしたら、まずはご自身で進められてはいかがでしょうか」とお伝えすることがあります。
一方で、次のような方は顧問税理士をつけるメリットが大きいかと思います。
- 本業に専念したい方(記帳・申告にかける時間を事業に振り向けたい方)
- 税務・会計の知識に自信がない方
- 法人を設立している、または検討している方(判断の目安は法人成りのタイミングと個人事業主との違いで解説しています)
- 相続・事業承継など専門性の高い問題が絡む方(知っておきたい相続税の基本もあわせてご覧ください)
こうした方が実際に税理士を探す段階で最も重要になるのが、「どの税理士に頼むか」という選定の基準です。ここからが本題です。
頼むべき税理士の4つの要件
税理士を選ぶ際は、次の4つの軸で確認していただくとよいかと思います。
| 要件 | 確認したいポイント |
|---|---|
| ①能力・対応力 | 税理士登録の有無、専門領域、レスポンスの早さ、担当者とフォロー体制、事務所の継続性 |
| ②地域 | 対面相談のしやすさ、地域事情への理解 |
| ③価格 | 金額の安さだけでなく、サービス範囲とのバランス、料金体系の明確さ |
| ④相性 | 相談のしやすさ、価値観の合致 |
以下、順に見ていきます。
要件①:能力・対応力が十分か
最も重要なのが、税理士としての実務能力と、サービス面での対応力です。次の5つの観点で確認していただくとよいかと思います。
税理士登録があるかを確認する
意外に見落とされがちですが、まず確認したいのが税理士登録の有無です。税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士法第2条第1項に定められた税理士業務であり、税理士または税理士法人でない者がこれを行うことは禁じられています(同法第52条)。また、税理士となるには税理士名簿への登録を受けなければならないとされています(同法第18条)。
登録の有無は、日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトで、氏名や事務所名から確認できます。私も実務上、「税理士事務所の名前で契約していたが、実際に対応していたのは資格を持たない職員だった」というお話を伺うことがあります。契約前に一度ご確認いただくと安心かと思います。
プロフェッショナルとしての姿勢
質問への回答が早いか、専門用語をかみ砕いて説明してくれるか、こちらの事業内容を理解したうえで提案してくれるかは、日々のやり取りの質を大きく左右します。単に申告書を作成するだけでなく、数字の意味を説明し、経営の相談に乗ってくれるかどうかも、パートナーとして依頼できるかの分かれ目になると考えます。
たとえば、経営者ご自身の取り分を役員報酬と配当のどちらで受け取るかといった論点は、申告書を作るだけでは出てこない話です。決算の数字を見ながらこうした提案が出てくるかどうかは、契約前の面談での対応から、ある程度は見極めることができるかと思います。
専門領域が自社と合っているか
相続税、医療法人、特定の業種特有の会計処理など、税理士にもそれぞれ得意分野があります。すべてに万能な税理士は多くないため、ご自身の状況に近い分野の経験を持つ税理士かどうかを確認することが大切です。とくに相続・事業承継のように、自社株の評価や納税資金の確保まで見通す必要がある分野ほど、この点の重要性が増すと考えます。
実際に対応する担当者とフォロー体制
事務所によっては、契約前の面談は代表税理士が対応し、契約後は別のスタッフが担当につくことがあります。これ自体は珍しいことではなく、組織として体制が整っている証でもあります。ただ、弊所にご相談にみえた方から「面談したときの印象と、契約後のやり取りの感触が違った」というお話を伺ったこともあります。
日常的にやり取りする担当者がどのような方か、また担当者に疑問や不満を感じた際に事務所として相談・対応できる体制があるかは、契約前に確認しておきたいポイントです。
事務所として継続できる体制があるか
担当者の年齢が高く、後継者や引き継ぎ体制が不透明な事務所の場合、長期的な顧問関係を前提としますと、将来的にリスクとなり得ます。顧問契約は10年、20年と続くことも珍しくありません。担当者個人だけでなく、事務所として業務を継続できる体制があるかどうかも確認しておきたいところです。
要件②:地域が近いか
近年はオンラインでのやり取りが完結する事務所も増えていますが、地域が近い税理士には次のようなメリットがあります。
- 対面での相談がしやすく、資料のやり取りや急な相談にも対応しやすい
- 地域の商慣習や、自治体独自の制度・支援策に詳しい傾向がある
- 実地確認が必要な業種(店舗・工場等)では、現地の状況を踏まえた対応が受けやすい
もっとも、業種や事業のスタイルによってはオンライン完結で十分なこともあります。私も実務上、遠方のお客様とオンライン中心でやり取りすることがありますが、資料の共有がクラウドで完結する業種であれば、距離が問題になる場面はほとんどないというのが実感です。
逆に、現場を見ないと判断しづらい業種では、年に数回でも足を運べる距離であることが効いてきます。ご自身の事業にとって対面でのやり取りがどの程度重要かを踏まえて、判断していただくのがよいかと考えます。
要件③:価格が適正か
顧問料は重要な判断材料ですが、安ければ安いほど良いというわけではありません。極端に安い顧問料の場合、対応範囲が限定的であったり、担当者一人当たりの契約件数が多く、十分なフォローを受けられなかったりすることがあります。実際に、顧問先を変更された方から「顧問料は安かったが、決算のとき以外はほとんど連絡が取れなかった」と伺ったこともあります。
価格を比較する際は、金額そのものだけでなく、次のような点もあわせて確認することをおすすめします。
- 記帳代行が含まれているか、自社で記帳する前提の料金か
- 訪問・面談の頻度はどの程度か
- 決算料、年末調整・法定調書、償却資産税の申告など、別途費用が発生する業務の範囲
とくに決算料は、月額顧問料とは別に発生することが多い費目です。月額だけを比べますと安く見えても、年間の総額では逆転していたということも起こり得ますので、年間の総額で比較することをおすすめします。
また、料金体系が明確かどうかも、事務所を見極める目安になるかと思います。ウェブサイトに料金表を掲載していたり、見積もりの段階でサービス内容と金額の対応関係をきちんと説明してくれたりする事務所は、自社のサービスに自信を持っていることが多いと考えます。金額を尋ねても「応相談」としか答えが得られない場合は、契約後に想定外の追加費用が発生しないか、慎重に確認していただくとよいかと思います。
要件④:相性が合うか
能力・地域・価格の条件を満たしていても、最終的に見落とせないのが相性です。税理士は数字だけでなく、事業の状況や、時には経営上の悩みまで共有する相手になります。年単位で長くお付き合いすることが多いため、コミュニケーションの取りやすさや価値観の合致は、想像以上に重要な要素だと考えます。
面談の際には、質問しやすい雰囲気か、こちらの話をきちんと聞いたうえで回答してくれるかを確認してみてください。「客観的に条件は良さそうだが、なんとなく相談しづらい」と感じる場合は、他の税理士も含めて比較検討されることをおすすめします。顧問税理士を変更された方にその理由を伺いますと、能力そのものよりも「相談しづらかった」という点を挙げられることが少なくありません。
税理士選びでよくいただくご質問
顧問税理士を変更するなら、どのタイミングがよいですか
実務上は、決算・申告が終わった直後が最もスムーズかと思います。期の途中で変更しますと、期首から変更時点までの会計処理を新しい税理士が引き継いで確認する手間が生じるためです。ただ、対応に不安がある状態で1年間待つ必要はありません。ご事情があれば期中の変更に応じる事務所も多く、弊所でも期中からのご相談をお受けしています。
税理士を変更する場合、これまでのデータは引き継げますか
会計データ、総勘定元帳、決算書、申告書の控えは、いずれもお客様ご自身の資料ですので、返却を受けたうえで新しい税理士に引き継ぐことができます。クラウド会計をお使いであれば、アカウントの権限を切り替えるだけで済むことも多くあります。念のため、契約前にデータの引き継ぎ方法を新旧いずれの事務所にもご確認いただくと安心です。
顧問料の相場はどのくらいですか
事業規模、記帳代行の有無、訪問頻度によって大きく変わりますので、一律の相場を申し上げるのは難しいところです。目安として弊所の場合は、会計・税務顧問が法人で月額18,000円から、個人で月額10,000円から、法人の決算料が130,000円からとしております。オプションの記帳代行や給料計算を含めた料金は、サービス・料金のページに掲載しておりますので、比較の材料としてご覧いただければと思います。
税理士と公認会計士は何が違いますか
税理士は税務の専門家、公認会計士は会計監査の専門家という違いがあります。ただし、公認会計士は税理士となる資格を有しており(税理士法第3条第1項第4号)、財務省令で定める税法に関する研修を修了したうえで税理士登録をすれば、税理士業務を行うことができます(同条第3項)。監査で培った財務諸表の見方と、税務の両方に対応できる点が、公認会計士でもある税理士の特徴かと考えます。
顧問税理士をお探しの方へ
税理士選びは、金額の比較だけで決めてしまいますと、後になって「思っていたサポートが受けられない」というミスマッチにつながりかねません。能力・対応力、地域、価格、相性の4つの軸をバランスよく見極めていただくのがよいかと考えます。
弊所(金子公認会計士・税理士事務所)は、東京都荒川区西日暮里を拠点としております。代表の金子は、有限責任あずさ監査法人で金融機関の監査業務に約7年間従事したのち、英国でのMBA留学、外資系事業会社の財務部、監査法人系のM&Aコンサルティング会社を経て開業しました。この記事でご紹介した4つの要件に沿って、弊所の特徴を簡単にご紹介します。
- 能力・対応力:税務顧問にとどまらず、会社設立支援、資金調達支援、決算・管理会計の高度化、M&A支援、事業再生支援まで対応しております
- 事務所の継続性:代表は1984年生まれで、10年、20年という長期の顧問関係を前提にご対応できる年代です
- 担当者の一貫性:契約後も代表の金子が一貫して対応いたしますので、担当者が変わることによるコミュニケーションのロスがありません
- 価格:ウェブサイトに料金表を掲載しており、ご契約前にサービス範囲と金額の対応関係をご説明します
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詳細を知りたい方は是非一度、弊所までお問い合わせください。弊所のサービス・料金についても、ご覧いただけますと幸いです。
※本記事は2026年8月時点の法令等に基づいて作成しています。